こんにちは、栄養士の岡部です。
私は23年間、レストランの厨房で料理を作ってきました。
今はその経験を活かして、「食」の面から人の体と心をサポートする栄養士として活動しています。
「最近なんとなく疲れが取れない…」
「昔より回復が遅くなった気がする」
「病院に行くほどじゃないけど、ずっと不調が続いている」
そんな風に感じたこと、ありませんか?
特に45歳を過ぎたあたりから、こうした“なんとなくの不調”が増えてくる方が多いんです。
それ、もしかしたら食事の栄養バランスが影響しているかもしれません。
この記事では、そんな「不調の原因と栄養の関係」について、
料理人として・栄養士としての両方の視点から、わかりやすくお話していきます。
これを読んでくださったあなたが、少しでも楽に、前向きに日々を過ごせるきっかけになれば嬉しいです。

目次
栄養バランスって、そもそも何?
「栄養バランスの良い食事をしましょう」と聞くことは多いと思います。
でも実際には、「何をどう食べればいいのかよく分からない」
と感じる方も多いのではないでしょうか?
栄養バランスが整った食事とは、
エネルギー源となる「炭水化物・脂質・たんぱく質」、
体の調子を整える「ビタミン・ミネラル」、
そして腸内環境を助ける「食物繊維」などが、偏りなく摂れている状態です。
しかし実際の食生活では、
- 好きなものばかり食べてしまう
- 朝食を抜く
- 外食やコンビニ頼りになる
- 炭水化物中心になりがち
- 気づいたら茶色い食卓
といった理由で、バランスが崩れやすくなっています。
その影響は、じわじわと体に現れてくるのです。
若いころは「体力」でカバーできていた理由
私もそうでしたが、若いころって、けっこう無理がきくものですよね。
夜遅くまで働いたり、ジャンクフード中心の生活でも、
多少の不調なら気合いや睡眠で回復できていたはずです。
これは、若い体が「高い代謝」と「強い修復力」を持っていたから。
多少の栄養の乱れも、体力でなんとか押し切れていたわけです。
しかし、40代に入ると話は別です。
代謝はゆるやかに低下し、筋肉量も減り、ホルモンのバランスも変わってきます。
この変化に食生活が追いつかないと、不調が顔を出しやすくなってしまいます。
45歳からの体に起こる“変化”
「昔より疲れやすい」「寝てもだるい」「風邪をひきやすくなった」
こうした変化には、いくつかの体内要因が関係しています。
- 基礎代謝の低下:エネルギーの消費効率が下がり、太りやすくなる
- 筋肉量の減少:疲れやすく、冷えやすくなる
- ホルモンバランスの変化:自律神経が乱れ、イライラや落ち込みも起こりやすい
- 消化吸収機能の低下:必要な栄養がきちんと吸収されにくくなる
これらの変化を放っておくと、体は「なんとなく不調」のまま日常を送ることになります。

偏った食生活がもたらす“静かな不調”
一見普通の食事でも、栄養が偏っていると、次のような体調トラブルが起こりやすくなります。
- エネルギー不足で「朝からだるい」
- ビタミン不足で「肌荒れ・イライラ・疲れ」
- たんぱく質不足で「筋力低下・免疫力の低下」
- 食物繊維不足で「便秘・腸内環境の悪化」
コック時代にも、「食べてるのに元気が出ない」という仕事仲間がたくさんいました。
そして栄養士としての立場で見ていくと「見た目では気づかない不足」があったことに気づきました。
意外と不足しがちな栄養素とは?
- たんぱく質:筋肉・内臓・免疫力を保つ要。体重×1.0〜1.2g/日が理想です。
- ビタミンB群:糖質や脂質の代謝、疲労回復に必要。豚肉・緑黄色野菜・納豆などに多く含まれます。
- 鉄分:貧血予防、特に女性に不足しやすい。赤身肉・小松菜・ひじきなど。
- カルシウム・マグネシウム:骨・神経・血管の健康に必要。乳製品・海藻・豆類など。
- 食物繊維:善玉菌の餌になって腸内環境を整えたり、塩分・コレステロールの排泄を促す。野菜・きのこ・海藻などに豊富です。
栄養素は組み合わせで効き方が変わる
栄養素は「単体で摂ればそれでOK」というものではなく、組み合わせによって吸収率や働きが大きく変わります。
- 鉄 × ビタミンC:非ヘム鉄の吸収率UP
→ ほうれん草+いちご、納豆+ブロッコリー - カルシウム × ビタミンD:骨に届きやすくなる
→ 牛乳+鮭や卵、豆腐+きのこ - たんぱく質 × ビタミンB6:筋肉合成を効率化
→ 鶏むね肉+ピーマン、鮭+にんにく - NG例:カルシウム × カフェイン
→ コーヒー・お茶は食後すぐでなく、時間を空けて - NG例:鉄分×タンニン
→お茶・紅茶は食事中は避けて、時間を空けて
ちょっとした意識で、食べた栄養を“きちんと効かせる”ことができるのです。

疲労・貧血・コレステロールに効く!目的別おすすめ栄養素と食材
【疲労回復】→炭水化物+ ビタミンB1+アリシン
例:豚の生姜焼き+玄米+みそ汁+ブロッコリー
【貧血予防】→ 鉄分+ビタミンC
例:マグロの刺身+小松菜のおひたし+オレンジ
【中性脂肪・コレステロール対策】→ 食物繊維+EPA・DHA
例:さばの味噌煮+わかめの酢の物+麦ごはん+納豆
毎日取り入れたい「栄養バランス5つの基本」
- 主食・主菜・副菜をそろえる
- たんぱく質を意識して摂る
- 彩りのある野菜を1日350g以上
- 発酵食品やきのこ・海藻で腸活
- おやつや飲み物にも気を配る(砂糖・カフェイン過多に注意)

コック経験者の私がすすめる、無理なく整えるコツ
料理のプロとして大切にしてきたのは、「続けられるかどうか」。
- コンビニでも、納豆やサラダチキンを追加
- 外食ならサラダ・みそ汁・冷奴などをセットに
- 朝だけでも、ヨーグルトや目玉焼き、果物をプラス
どんなに立派な食事法でも、日々の生活に合わなければ意味がありません。
小さな足し算を、毎日の中に取り入れてみてください。
栄養の見直しは「未来の自分」への投資
体が変わるには、時間がかかります。
でも確実に言えるのは、「体は食べたものでできている」ということです。
今の食生活を見直すことは、5年後、10年後の自分への信頼の贈り物だと私は思っています。
最後に
「年齢のせいかな?」で片付けてしまいがちな体のサインも、
食事や栄養のちょっとした工夫で、思いのほか楽になることがあります。
私自身、料理人として多くの方の食と向き合ってきたからこそ、
「食べるものが変わると、体も気持ちも変わる」その瞬間を何度も見てきました。
無理なく、でも確かな一歩を踏み出したい方へ。
あなたの体に合った食べ方、一緒に考えてみませんか?
どんな些細なことでも大丈夫です。
よろしければ、お気軽にご相談くださいね。