お酒を飲まなくても脂肪肝?肝臓を守る食事と予防習慣

肝臓の不調は“数値に出ないこともある”って知ってましたか?

「肝臓の数値は問題ないですね。安心してください。」

健康診断でそう言われて、ほっと胸をなでおろしたことはありませんか?
でも実は、その“異常なし”の結果が、肝臓の健康を保証してくれるわけではないことをご存じでしょうか。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、よほどのことがない限り症状を表に出しません。
しかも、検査で見ている数値は“壊れている最中の反応”を見ているものなので、
すでにダメージが進んでしまっている肝臓では、むしろ異常が出ないケースもあるのです。

「毎年検査してるから大丈夫」
そう思って過ごしていたけれど、実は気づかないうちに病気が進行していた——
そんなことが、現実に起こっています。

この記事では、“肝臓の不調は数値に出ないこともある”という落とし穴について詳しくお伝えしながら、
脂肪肝やNASH(非アルコール性脂肪肝炎)といった病気のリスクと、
今からでも間に合う予防法、そして肝臓を守るための食事の整え方まで丁寧にご紹介していきます。

「脂肪肝」は最初のサイン。お酒を飲まない人にも関係あり!

肝臓トラブルの入り口として知られているのが「脂肪肝」。
その名の通り、肝臓の細胞に脂肪が過剰にたまっている状態です。

「お酒の飲みすぎが原因でしょ」
と思われがちですが、実はそれだけではありません。
最近では、食べすぎや運動不足、糖質の摂りすぎ、肥満などが原因の“非アルコール性脂肪肝”が増加しています。

さらに、
その脂肪肝が進行して炎症を起こしたものが「非アルコール性脂肪肝炎(NASH/ナッシュ)」と呼ばれるもの。
これがやっかいで、進行が早く、気づいた時には「肝硬変」や「肝臓がん」につながっていた…というケースもあります。

怖いのは、自覚症状がほとんどないこと。
だからこそ「私はお酒を飲まないから大丈夫」と思っている人ほど、ぜひ知っておいてほしいのです。

でも、まだ脂肪肝の段階であれば、改善のチャンスは十分にあります。
肝臓にはもともと再生能力があり、生活習慣を整えれば回復できる力があるからです。

自己流の糖質制限が、肝臓にダメージを与えることも

肝臓を守るために気をつけたいことは何か?
実は「栄養バランス」なんです。
たとえば、「炭水化物を減らせば痩せる」と自己流で糖質制限をしてしまうと、肝臓に負担をかけてしまうことも。

その理由のひとつが「CYP2E1(シップトゥーイーワン)」という酵素の存在。
これは、解毒を助ける酵素なのですが、
炭水化物が不足した状態や空腹が続いたときに誘導されやすいとされています。

特に、糖質が足りていない時にアルコールを摂ると、
この酵素が活性化して肝臓に強いストレスがかかることがわかっています。
また、CYP2E1は脂肪の酸化にも関与していて、
脂肪肝やNASHの進行にも深く関わっている可能性があるとされているんです。

つまり、「炭水化物=悪」ではなく、
「必要な量をバランスよく摂る」ことが大切。
自己流の制限ダイエットではなく、正しい食事で肝臓をサポートしていきましょう。

食べて整える。“からだメンテごはん”で肝臓をやさしくリセット

私たちの体は、食べたものでできています。
とくに肝臓は、毎日せっせと毒素を分解したり、代謝を助けたりしてくれている臓器。
だからこそ、いたわりながら栄養を届けてあげることが何よりのケアになります。

私が運営している料理教室「象の台所」では、ただレシピを教えるのではなく、
【味にも栄養にもこだわった】“からだメンテごはん”をお伝えしています。

  • 肝臓を含めた不調改善に役立つ献立の考え方
  • 食材選びのコツと組み合わせのポイント
  • プロの調理法を応用した、簡単で時短な調理法
  • 毎日のごはんで自分を整えるための食の知識

栄養士としての知識と、23年間の現場で培った調理の経験があるからこそ、
「ちゃんと美味しくて、からだにいい」が両立するメニューをお届けできます。

「学びながら美味しく整える」。
そんな時間を、あなたの毎日に取り入れてみませんか?

「将来の肝硬変」を防ぐために、いま食を見直すという選択

肝臓の病気は、気づかぬうちに進行し、気づいた頃には取り返しがつかないということもあります。
でも、今の食生活を見直すことで、その未来を変えることができるとしたら——?

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれていますが、再生力のある臓器でもあります。
今からでも間に合います。

あなたの体は、これから食べるものでできていく。
そう考えると、今日のごはんが未来の自分への“投資”になりますよね。

料理や栄養のことがよくわからなくても大丈夫。
一緒に、自分を大切にする食事、はじめてみませんか?




関連記事

  1. サプリを摂る意味

  2. 【骨粗しょう症】顔の骨が痩せて顔の皮膚がたるむ

  3. 美肌の条件ってなんだ?【コラーゲン製品は必要ない】

  4. 【レシピ3つ】根性論・精神論はもうおしまい!幸福感を作るセロ…

  5. 【栄養士が解説】ミネラル豊富な塩【塩の規格】

  6. 【栄養満点って何】栄養豊富な食材とは?

知りたい事は? 例)豚肉 中性脂肪