「アスパラガスを食べると、なんだかトイレがすごく臭う…」
そんな経験をしたことはありませんか?
私は子どものころから、特有の尿のにおいに気づいていました。
けれど、その原因が“アスパラガス”だとはっきり知ったのは、ここ数年のことです。
この記事では、栄養士として23年、コックとしても現場に立つ私が「アスパラ尿」
と呼ばれる現象について、リアルな体験を交えて解説します。
しかも、23歳の娘はまったく気づいていないという不思議なエピソードつき。
この記事を読めばわかること
- アスパラ尿の原因と、食後すぐににおう理由
- 匂いに気づく人と気づかない人の体質の違い
- 私と息子でまったく違う「アスパラ体験」
- アスパラを安心して楽しむためのヒント

なぜアスパラガスで尿が臭うの?
においの正体は「アスパラギュシック酸」
アスパラガスに含まれる成分「アスパラギュシック酸」は、体内で代謝されると「メタンチオール」「ジメチルスルフィド」といった強いにおいのある硫黄化合物に変化します。
これらが尿に混ざることで、あの独特な、まるで腐ったキャベツやガスのようなにおいになるのです。
スピードが早いのはなぜ?
この反応は非常に早く、食後わずか15〜30分以内ににおいが現れる人もいます。
私自身、アスパラを食べて5分後のトイレで「うっ…!」と感じるほど。
体内での分解と排出が速い体質であればあるほど、においの立ち上がりも早くなります。
アスパラ尿に気づく人・気づかない人がいる理由
「においを出す人」と「出さない人」
アスパラギュシック酸を分解してにおい物質を作り出すかどうかには個人差があります。
分解酵素の活性が低い人は、そもそもにおい物質が作られないため「アスパラ尿」になりません。
「においを感じる人」と「感じない人」
もうひとつのカギは嗅覚。
たとえにおい物質が尿に含まれていても、
それを“臭い”と感じられるかどうかは、嗅覚受容体の遺伝的違いに関係しています。
ある研究では、人口の40〜60%がアスパラ尿のにおいを感知しないとされており、
「出ていても気づかない」人も多いのです。

私と息子のにおい体験の違い
私は“食べてすぐ”でも気づくタイプ
私はアスパラを食べてすぐ、トイレに行けば即気づきます。
それくらいにおいがはっきりしていて、まさに“強烈”です。
体内でにおい物質を素早くつくる体質+それを感じやすい嗅覚。
ダブルで反応しているようです。
娘はまったく気づかない
一方で、23歳の娘はまったく気づいていません。
同じ料理を食べても「何が臭うの?」とキョトン顔。
これはおそらく、
においを生成しにくい体質か、あるいは生成しても感じ取れない嗅覚タイプのどちらか。
親子でもまったく違う反応に驚かされました。

アスパラ尿って体に悪いの?
病気ではなく“自然な反応”
アスパラ尿はまったくの自然現象。
体に異常があるサインではありません。
においの強さに驚くことはあっても、健康上の問題は一切なし。
気にする必要はありません。
むしろアスパラは体に良い
アスパラガスは、
鉄分、葉酸、食物繊維、ビタミンC・E・Kなどをバランスよく含む栄養豊富な食材。
尿のにおいを理由に敬遠するのはもったいないくらい、健康的な野菜です。

匂いが気になるときのちょっとした工夫
対策① 水分を多めにとる
食事の際に水やお茶をしっかりとることで、尿が薄まり、においも軽減されます。
対策② 調理法を変える
においが気になる方は、焼きや蒸し調理を試してみるのもおすすめ。
茹でるよりも香ばしく、うま味を引き出しながら匂い成分を抑えることができます。
対策③ 体質の違いを楽しもう
「私は臭いけど、家族は気づかない」
そんな違いを、ネタとして楽しめるくらいの余裕を持って、アスパラとの付き合いを深めていくのがいちばんです。

まとめ|アスパラ尿は“体質という個性”
- アスパラ尿の正体はアスパラギュシック酸の代謝によるもの
- 匂いに気づくかどうかは、体質や遺伝的な嗅覚の感受性で決まる
- 匂いがあっても健康に影響なし。安心して食べてOK
- 水分摂取や調理法の工夫で匂いをやわらげることも可能
- 家族で感じ方が違うことを、楽しく受け止めてみるのもおすすめ

「アスパラ尿」は、誰もが一度は「え?」と思う現象かもしれません。
でも、それはあなたの体が元気に働いている証。
私のように「食べてすぐ気づく」タイプの方も、
まったく気づかない方も、それぞれの体質を知るきっかけとして楽しんでくださいね。
気になる食材や体の反応についてもっと知りたいことがあれば、ぜひコメントやメッセージで教えてください。
栄養士として、あなたの“食”の気づきを後押しできたら嬉しいです!