タンパク質の“ちょうどいい量”とは|摂り方を間違えると腎臓を痛める?栄養士が本音で解説

高たんぱくブームの落とし穴 ―「とればいい」は本当?

こんにちは、栄養士の岡部ゆうこです。
最近はどこへ行っても「高たんぱく」という言葉を見かけるようになりましたよね。
コンビニの商品棚にもプロテイン食品がずらりと並び、
筋トレをしていなくても “とりあえずタンパク質が多いものを選ぶ” という方が本当に増えました。

でも実は、タンパク質は「たくさんとればとるほど健康になる」わけではありません。
むしろ、多すぎても少なすぎてもどちらも身体にとっては負担になります。
健康のために良かれと思って高たんぱく生活を続けている方にこそ、
知っておいてほしい大切な話をお伝えします。

タンパク質と腎臓の関係 ― 気づきにくい負担とは

タンパク質が分解されると「窒素を含む老廃物」が発生します。
これは腎臓が処理してくれるのですが、量が増えるほど腎臓の負担も大きくなります。
腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、悪化しても痛みが出ないため、
気づいた時には数値が下がっていたということも珍しくありません。

私の知人にも、毎日プロテインを2回飲み、食事も高たんぱく中心だった方がいました。
体調に自覚はありませんでしたが、健康診断で腎機能の低下を指摘され、とても驚いていました。
原因を断定することはできませんが、高たんぱく生活が長期間続くと、
知らないうちに腎臓が疲れてしまう可能性があります。

また、高齢の方は胃酸や消化酵素が減りやすく、若い頃よりタンパク質の吸収率が下がります。
同じ量を食べても吸収できるとは限らないため、
柔らかく調理する、消化に優しいメニューにする、少量を数回に分けるなどの工夫が大切です。

今日からできる“ちょうどいい”タンパク質との付き合い方

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、

成人女性の推奨量は約50g(体重×0.8g)
筋トレをしている方でも体重1kgあたり1.2~1.5gで十分とされています。

それ以上摂っても筋肉が倍になるわけではなく、腎臓の負担だけが増えてしまいます。

「じゃあ、どんな風に気をつければいいの?」
という方のために、腎臓を守るためのチェックポイントをまとめました。

あわせて知っておきたいのが、タンパク質の代謝に欠かせない「ビタミンB6」 の存在です。
実は、タンパク質の量が増えるほど、体の中で使われるビタミンB6の必要量も自然と増えていきます。
もしB6が足りないと、せっかく摂ったタンパク質がスムーズに使われず、効率が下がってしまうことも。
高たんぱくを意識している方ほど、まぐろ・かつお・鶏むね肉・バナナ・さつまいも・玄米など、ビタミンB6が豊富な食品を食事に少し取り入れておくと安心です。

【腎臓を守るチェックリスト】

  • 年1回は腎機能検査(eGFR・クレアチニン)を確認
  • 尿検査の「尿たんぱく」「潜血」は必ずチェック
  • 食事で足りている日は無理にプロテインを足さない
  • むくみ・尿量の変化・疲れやすさに気づく
  • タンパク質だけに偏らない献立を意識する

そして覚えておきたいのが、“タンパク質だけ増やしても健康にはならない”ということ。
炭水化物や脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、身体はさまざまな栄養素がそろって初めて健康に働きます。
特に炭水化物が不足すると身体は筋肉を分解し始めるため、筋肉量が減って太りやすい体になってしまいます。

腎臓を守りながら続けられる食生活へ

タンパク質はとても大事な栄養素ですが、多ければ多いほど良いわけではありません。
身体が無理なく使える“ちょうどいい量”があります。
腎臓は痛みを出さない臓器だからこそ、年に一度は状態を確認してあげましょう。

特定の栄養素に偏らず、バランスよく食べること。
これが、筋肉を守りながら腎臓の健康も維持できる、一番確実で続けやすい方法です。

あなたがこれからも元気で過ごせるように、無理のない食事習慣を一緒に作っていきましょう。

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