朝起きても体が重くて、旅行に行った次の日はぐったり。
仕事で少し歩き回るだけで息が切れ、
風邪を体力の回復に時間がかかるーー。
そんな自分に「年齢のせいだから仕方ない」と言い聞かせながらも、本当は何とかしたい。
でも、仕事や家事で毎日がバタバタしていると、運動もサプリも長続きしない。
もし、「食べ方」をちょっと工夫するだけで、エネルギーが持つ体になれるとしたらどうでしょう?
この記事では、ビタミンB1という栄養素に注目し、
「ムダにしない摂り方」と「実際の体力に差が出る食事習慣」を、
科学的な根拠とともにわかりやすく解説します。
こんな方におすすめ
- 旅行のあと、数日疲れが取れない
- 忙しく動いた翌日、体がだるい・眠い
- 風邪の治りが遅くなった気がする
- 食事で体調を整えたいけど、何をどう食べればいいかわからない

目次
ビタミンB1不足が引き起こす「エネルギー切れ」
ビタミンB1は、体の中で糖質をエネルギーに変えるために欠かせない栄養素です。
特に脳や神経、筋肉など「エネルギーを多く使う部分」に必要とされます。
ところがこのビタミン、体に貯めておくことができず、尿としてすぐに排出されてしまいます。
さらに、ストレスや過労、風邪などで消費も増えるため、
“年齢とともに疲れやすくなった”
“寝ても体力が回復しにくい”
といった悩みの裏には、このビタミンB1不足が潜んでいることが少なくありません。
厚生労働省の推奨量では、45〜49歳女性の1日あたりのビタミンB1の推奨量は1.1mg。
しかし実際の平均摂取量は、それより少ないケースが多いのが現状です。

ビタミンB1を「効かせる」ために必要な組み合わせとは?
「豚肉は疲労回復にいい」と聞いたことはありませんか?
その理由は、豚肉(特にヒレ肉やもも肉)が、食品の中でもトップクラスのビタミンB1含有量を誇るからです。
しかし、ただ豚肉を食べるだけでは、体にとって十分に“使える”状態にはなりません。
ここで重要なのが「吸収を助ける組み合わせ」です。
香味野菜との相乗効果
ビタミンB1の吸収率を高めることで知られているのが、 ニンニク・玉ねぎ・ニラ・ネギなどに含まれる「アリシン」という成分です。
共通したあの風味というか臭気、ありますよね。
そう、
あれです。
ビタミンB1とアリシンが結びつくと、「アリチアミン」という物質になり、
体内に吸収されやすくなるうえ、血中に長くとどまることができるようになります。
その結果、エネルギー変換の効率が上がり、「疲れにくい体づくり」に直結するのです。
実際、アリシンとの組み合わせによる吸収率の改善は、アスリートの栄養管理にも応用されています。
ムダにしない食べ方4つのポイント
以下のポイントを意識するだけで、普段の食事でもビタミンB1の効果を引き出せます。
1. 加熱料理で栄養を守る
ビタミンB1は熱に弱くはないものの、水に溶けやすい性質があります。
炒め物よりも、スープや煮込みなど「汁ごと食べられる料理」がおすすめです。
2. チアミナーゼに注意する
山菜(ワラビやゼンマイ)、淡水魚、貝類には「チアミナーゼ」という酵素が含まれており、
これがビタミンB1を壊してしまいます。
ただし、この酵素は加熱で不活性化するため、火を通せば安心です。
3. アルコール・カフェインは控えめに
アルコールやカフェインには、ビタミンB1の吸収や働きを妨げる作用があります。
「体力が落ちてるな」と感じる時期は、できるだけ控えるようにしましょう。
4. 白米中心の食生活は副菜でカバー
白米は糖質が多く、ビタミンB1の消費量を増やします。
主食が白米中心の場合、豚肉をはじめ、副菜でB1を含む落花生、モロヘイヤ、豆腐などを取り入れると効果的です。

旅行やハードワーク後の「回復」を早める食習慣
「旅行のあと、2日間くらい疲れが残る」
「仕事で外回りしたら、翌日まったく動けない」
「風邪からの体力の回復が遅くて困っている」
こうした悩みには、「事前」「当日」「事後」での食事調整が有効です。
前日:豚肉+香味野菜でエネルギー蓄積
疲労が予想される日の前夜は、豚肉+ニンニク・玉ねぎなどを組み合わせてエネルギー源をしっかり確保。
【事例】
営業職の女性(46歳)は、週に1度の出張前日には「豚肉とニラの炒め物」を定番メニューに。
翌日、朝から移動や商談が続いても、午後までエネルギーが持続するようになったそうです。
当日:糖質+ビタミンB1を意識的に摂取
おにぎりやパンだけではエネルギーに変換できません。
味噌汁や卵焼き、納豆などB1を含むおかずを添えて。
【事例】
小学校に勤務する先生(45歳)は、運動会や遠足など長時間立ちっぱなしの日は、
朝食に玄米おにぎりと納豆、味噌汁を組み合わせることで「夕方まで集中力が切れない」と感じているとのこと。
翌日:代謝をサポートするビタミンCもプラス
ビタミンB1だけでなく、代謝や免疫をサポートするビタミンC(ピーマン、ブロッコリーなど)も合わせることで、
体の回復が早まります。
【事例】
週末に孫と遊んだあと、2日寝込むのが習慣になっていたパート勤務の女性(48歳)は、
日曜夜に「豚汁+ブロッコリーサラダ+ごはん」を食べる習慣に切り替え。
月曜の朝もスムーズに起きられるようになったと話しています。

食べ方を変えれば、体は応えてくれる
年齢を重ねると、どうしても「回復力が落ちた」と感じる場面が増えてきます。
でも、それを単なる加齢のせいにするのは、ちょっともったいない。
“体力が落ちてる”と感じたときこそ、
体の中で「何が足りていないのか」に目を向けることが、
次の日のパフォーマンスや気分にも大きく影響します。
ビタミンB1は、忙しい日々を支える「体の燃料」ともいえる存在です。
ムダにしない食べ方を意識するだけで、翌朝の疲労感が軽くなる。
そんな体の変化を、ぜひあなた自身で実感してみてください。