これは、あなたや大切な人の人生を豊かにし、守るもの。
これは、余計な疲れを溜めずに、毎日を軽やかに生きるために必要なもの。
これは、自分の欲を正しく満たし、自分らしくいるためのもの。
これは、学校では教えてくれなかったもの。
これは、ただの気合や根性では通用しない、根拠=エビデンスが必要なもの。
さて、答えは何でしょうか?
答えは――「食」です。
このHPの中でも散りばめられてはいますが、改めて私の経験とともにお伝えしたいと思います。

目次
柔道部時代の無謀な減量と“身体を壊す食”の話
私は学生時代、柔道部に所属していました。
大会が近づくと、当たり前のように“減量”が始まります。
そのやり方は、今思えば本当に無謀でした。
- ほぼ食べない
- ほぼ飲まない
- サウナスーツを着て走り回る
- サウナに籠もって汗を出す
- 通常練習もこなす
多い時は10日で7kg、普段は1週間で3~4kg落とすのが普通。
でも、当然ながら体は悲鳴を上げます。
見た目は多少スッキリするものの、肌は乾燥してボロボロ。
水分を制限していたので尿も出ない、便も出ない。
集中力は続かず、授業中はぼーっとしていた記憶しかありません。
そして何より、すぐ戻るんです。
2日もすれば体重は元通り。
一瞬だけ細くなっても、筋肉も体力も削っているだけ。
これが、私の「食」に対する最初の間違った関わり方でした。

「食べ合わせ」に出会って初めて知った、“食”の力
高校生活の中で、偶然知った「食べ合わせ」という考え方。
ただ食べるのではなく、組み合わせによって体への吸収や影響が大きく変わるという話を知ったとき、私は衝撃を受けました。
「知ってる人と知らない人で、こんなに差が出るの?」
家庭科でも教えてくれなかったし、部活でも誰もそんなこと気にしていませんでした。
でも、それを意識するだけで、同じごはんが“体に効く食事”に変わるんです。
料理はもともと好きではなく、手伝っても怒られてばかり。
正直、料理するのは嫌いでした。
でも「食べることの意味」を知ってから、私は少しずつ食と向き合うようになりました。

建築の道から、パン屋・レストランへ。そしてシングルマザーに。
高校卒業後、私は建築の専門学校へ進みました。
その後、建築会社に就職。
でも、どこか心が満たされず、気づけばパン屋へ転職していました。
その後レストラン勤務を始め、飲食の道にどっぷり浸かるようになります。
結婚し、2人の子どもを授かりましたが、離婚を決意。
住む場所を失い、シングルマザーとしての人生がスタートします。
ボロいアパート。
遅くまで続く掛け持ちの仕事。
疲れて帰っても、洗濯物と夕飯と子どもの宿題が待っている。
私には、休む時間も、助けてくれる大人の手も、何もありませんでした。
救ってくれたのは、“効率”という知恵だった
そんな私を支えてくれたのは、
「効率よく動けるようになったこと」でした。
毎日を乗り切るためには、体力と時間を無駄にできない。
だから、試行錯誤の末にたどり着いたのが、段取り力の重要性でした。
- 食材を無駄なく使い切るメニューを組む
- 同時に3品仕上げるよう手順を整える
- 片付けをしながら調理を進める
- 洗い物が出ないよう工程を設計する
- 朝に夜の下ごしらえを済ませる
これらは、料理本には載っていない“家庭で生きる工夫”です。
仕事ではバリバリ動ける人でも、台所ではテンパってしまうことがよくあります。
それは、「段取りを学ぶ機会がなかったから」なんです。
専門学校で得た「本物の知識」と、料理教室で伝えていること
料理教室を始めた頃は、独学で得た「食べ合わせ」などを取り入れていました。
でも、それでは人に教えるには不十分。
もっと根拠を持って伝えたくて、私は栄養士の専門学校へ進学することを決意します。
40代を過ぎてからの学生生活。
子どもを育てながら、仕事と学校を両立する毎日。
分数の割り算も忘れていた私が、化学式や解剖生理学を必死に覚える日々。
でも、あの時期があったからこそ、今の私があります。
「料理は根性じゃない」
「“知識”と“段取り”で、ぐっとラクになる」
そう胸を張って言えるようになったのです。

一人暮らしの祖母が教えてくれた、現代型“隠れ栄養失調”
私の祖母は北海道で一人暮らしをしていました。
子どもたちは独立し、夫にも先立たれ、自分のためだけに料理をする生活。
やがて、祖母は栄養失調で倒れ、そのまま病院から帰ってくることはありませんでした。
一見、カロリーは摂れていても、実際は栄養バランスが崩れていたのです。
これが、現代型の“隠れ栄養失調”です。
一人暮らしでも、家族と暮らしていても、
食のバランスを意識することは、将来の自分の命を守る行動です。
愛情+段取り=家族を守る“台所力”
料理は気持ちだけじゃ回らない。
家族の健康を守りたいなら、
「段取り力」が不可欠です。
でもそれは、決して難しいスキルではありません。
- 献立を“作り方”から逆算する
- 片付けと調理を同時に行う方法を知る
- 一度の調理で2~3回分の準備をする
- 「何を炒め、何を茹でるか」に意味を持たせる
こうした小さな工夫の積み重ねが、心と時間に余裕を生み、
「自分を大切にできる生活」へとつながっていくのです。

あなたの台所から、家族の未来が変わる
料理がしんどいと感じるのは、あなたのせいじゃありません。
“センスがない”“ズボラだから”なんて、思わなくていい。
それは、ただ段取りを教わってこなかっただけ。
私は、経験から学びました。
段取り力を身につけることで、料理がラクになり、家族との時間が増え、自分にも優しくなれるということを。
いつか、あなたの台所に寄り添える日がきますように。
あなたが「料理=しんどい」から卒業できますように。
その一歩を、私は応援しています。
ではでは。