【栄養士が解説】閉経すると起こる体の不調は食事で事前に防ぐ

私もね、そういう年代なので気になる話題なんです。
生理は確かに面倒だし、大変。
人によっては生理痛で苦しい思いをしていますよね。
早く終わって欲しい反面、女性ホルモンによって成り立っていた健康の部分が崩れるのが怖い、、、。

今回は女性が絶対通る「閉経」するとなりやすい病気を食事面でどう対処していくかを書いていきます。

閉経するとなりやすい病気

  • 骨粗しょう症
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 動脈硬化
  • 高血圧
  • 虚血性心疾患

食事面で気をつけないといけないこと

女性ホルモン(エストロゲン)が減ると皮膚、骨、血管などなどにも影響がでてしまうのですが、症状が強くなると病院でホルモン補充療法などの治療が必要となる場合もあります。
そこを頭にも入れつつ以下のことを意識しましょう。

カルシウムとビタミンD

これは閉経とか関係なく、日本人がもうずっと長い間足りていないと言われているもの。
なので常に意識して欲しいんですけど、どうですか?
牛乳とかヨーグルト、小魚、干し椎茸
食べてます??

50歳以降のカルシウムの必要量は1日667mgなので、

牛乳とでいうと1日600ccくらい(100cc/110mg )
ヨーグルトなら1日550gくらい(100g/120mg)
小魚(しらす)なら1日130gくらい(100g/520mg)


どうでしょうか?
摂れていますか?
1個1個みると結構な量ですよねぇ。
しらす100gなんて実際見ると、すごい量です。
しかもしらすの塩分も気になります。

ちなみに野菜でもカルシウムは摂れます。
小松菜100gでカルシウムは170mg
小松菜100gはだいたい1/2袋って感じです。
モロヘイヤ100gならカルシウムは260mg。
結構カルシウムが入ってます。

これらを食事にチョイチョイ取り入れて結果的に満たせるようにするのがベストです。

吸収率

カルシウムは吸収率が悪い栄養素なので、その吸収率を上げるために必要なのがビタミンD。
ビタミンDは干し椎茸や魚に含まれています。
あとは太陽の光を浴びることで体内合成ができます。
でもさ、
日焼け止め、塗ってない?
紫外線対策している方は体内合成は期待薄です。

食材それぞれの吸収率も差があって、

牛乳 40%
小魚 33%
野菜 19%

こうみると牛乳ってすごく良いカルシウム源なんですよ。
牛乳忌避派とか、賛否両論あるけど、
私(栄養士)的にはオススメです。
お腹がゴロゴロしちゃう方はヨーグルトなら大丈夫。

カルシウムはこの食材だけに頼ろうっていうのは大変なので、組み合わせて食べつつ、ビタミンDを含む食材(干し椎茸・魚介類)を食べてくださいね。

糖尿病、脂質異常症

糖尿病、脂質異常症
この病気にならないようにするには、「食事」と「運動」の一択です。
ひとそれぞれ、なりやす人なりにくい人がいて、不公平な感じもありますけど仕方ない、。

NGな食材

  • 甘いもの
    果物、砂糖、甘いお菓子、ジュース など
  • 油脂
    揚げ物、脂の多い肉や魚、スナック菓子や洋菓子、調理で油をたくさん使う


オススメ食材

  • 野菜全般

とにかく野菜!
野菜は本当に大切。
野菜に含まれる「食物繊維」がコレステロールや塩分を排出したり、糖の吸収を穏やかにすることで血糖値の乱高下が起こりにくくなったりします。
あとはカロリーが低くてお腹もいっぱいになるし、腸内環境が整って便秘解消や免疫力のサポートにもなるので、野菜、食べましょう。

国民栄養調査によると、だいたい100~150gくらい不足しているので、今よりもう少し多く食べるとベスト。

100gというと、
きゅうり 1本
キャベツの大きい葉 2枚
玉レタス 3枚
青菜類 1/2袋
にんじん 1/2本

こんな感じです。
生だと見た目はすごい量になるけど、加熱すると全然少ない見た目になります。
にんじんみたいなのは変わりませんが、。

肥満を防ぐのが重要

必要以上に食べ過ぎない。
でも様々な食材を彩りよく食べるのがポイント。
「これを食べれば病気にならない」というより、いろいろな食材を食べることで各種栄養素が助け合ってその力を発揮します。

糖尿病や脂質異常症は「肥満」が諸悪の根源です
肥満は解消しないとね。

あとは、できる限り生活の中で「動く」ことを探したり、運動したりしてくださいね。
運動がなかなか大変なら日常動作を変えることから始めましょう。
運動するメリットは痩せるとか、体力がつくとか、筋肉がつくとかありますが、骨に刺激がいくことで骨粗しょう症の予防にもなります。

糖尿病や脂質異常症は下記の病気へと繋がっていくのでなんとかここで改善した方が良いです。

動脈硬化

動脈の血管が硬くなり、弾力性が失われた状態を動脈硬化と言います。
血管の内側にプラークがついたりして血管が詰まりやすくなります。

原因

高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、肥満、ストレス、運動不足などが動脈硬化を促進させます。

この病気の怖いところは「自分で分からない・気づかない」でひっそりと病気が進行していること。
そして5人に1人はこの動脈硬化で亡くなっています。
上記原因に心当たりがある方は本当に気をつけてください!!


虚血性心疾患

虚血性心疾患の原因は動脈硬化です。
動脈硬化が進行し、血管が狭くなって心臓への血液の巡りが悪くなり、つまってしまう病気です。
狭心症や心筋梗塞などのことですね。

高血圧

高血圧に関してはやはり「塩分」がキーポイントではありますが、血圧が上がる仕組みはとにかく複雑。
「これをすれば下がる」という簡単なものではないけれど、かといって「塩分」を控えないのは絶対NG。

世界的にみても塩分を摂りすぎているという日本ですが、1日に食塩で換算すると12g摂っているとも言われています。

厚生労働省の掲げる食塩の目標量
高血圧や循環器疾患、胃癌等の予防:18歳以上男性8.0g/日未満、18歳以上女性7.0g/日未満
高血圧の人:1日食塩摂取量6g/日未満

となっています。
今まで何も意識せずに食べてきた人にはなかなか厳しい目標だと思いますがどうですか??
これまで、例えば外食全般で味が濃いなと感じたことがない方は「濃い味好き」で日頃の食事で塩分を摂りすぎているかもしれませんよ。

そんな方や、病院から指摘された方、年々血圧が高くなっている右肩上がりの方は以下の工夫をしてみてください。

減塩でもおいしく食べる工夫

  • 酢や柑橘類の酸味の利用
  • 香辛料・香味野菜・胡麻や海苔の利用
  • 出汁を利かせる(無塩のもの)
  • 野菜や果物を食べてカリウムを摂る
  • 調理方法で「香ばしさ」をプラスする
  • 薄味でも量を食べ過ぎない
  • 汁物は1日1杯まで
  • 麺類のスープは飲まない
  • しょう油やソースは「かける」のではなく「つける」
  • 市販の惣菜や外食、漬物は食べ過ぎない
  • 練製品、加工食品も食べ過ぎない
  • 新鮮な食材を使って素材の味を活かす

工夫できる事は色々ありますが、やはり「慣れる」ことも大切。
最初は薄くて嫌でも、人の感覚は慣れていくので工夫を取り入れつつ乗り越えましょう。

まとめ

今回は「閉経」をテーマに食事で気を付けることを取り上げましたが、読んでもらった通り閉経がまだな方や男性でも気をつけるべき内容ですよね。

閉経すると、今まで皮下脂肪として貯められていた脂肪が内臓脂肪として蓄えやすくなります。
そうすると、メタボ対策が重要となるわけです。
今までと同じ食事だと閉経後メタボになってしまう人もいます。
メタボは生活習慣病と発展し、様々な病気になっていくので気をつけてくださいね。

そして骨粗しょう症。
これは、骨形成がこれまで「壊す」「作る」を繰り返して正常に保ってきたものが女性ホルモンの減少により骨を「壊す」が多くなってしまうために閉経後の骨粗しょう症リスクが上がってしまうために気をつけないといけなくなります。
それに、どうしても年齢と共に吸収が悪くなっていくので特に「食べ合わせ」で吸収率を上げる意識も必須です。

大きく言うとこの2つ。
肥満にならないこと
・骨粗しょう症のリスクがめちゃくちゃアップするのでカルシウムとビタミンDの摂取を意識すること


共に頑張って行きましょう!

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